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病気休暇中

実を言うと、今月の初めから私は会社をお休み中です。毎日働きにでかけるということが自分の中で普通ではなくなり、心も体もしまいに動けなくなってしまいました。 思い当たる理由は幾つかあるけれど、そのどれをひらいても抜け出せると思えず、どうしたらい…

ちょっとしたこと

私は普段、会社にバスで通っているのですが、今日は空気がひんやりとして気持ち良かったので、なんとなく歩いてみました。その途中、黄葉して綺麗な山吹色になったケヤキの葉を拾ったので、それを手に持って歩いていると(少し大きくてポケットには入らず、…

詩のpickup(好きな詩)

中原中也さんの詩の中から、好きな詩を10詩選びました。 詩集「山羊の歌」から 生ひ立ちの歌(私の上に降る雪は 真綿のやうでありました) サーカス(幾時代かがありまして 茶色い戦争ありました) 少年時(黝い石に夏の日が照りつけ、 庭の地面が、朱色に…

詩のpickup(好きな詩)

立原道造さんの詩の中から、好きな詩を10詩選びました。 詩集「萱草に寄す」から 夏花の歌(それはあの日の夏のこと! いつの日にか もう返らない夢のひととき) 夏の弔ひ(逝いた私の時たちが 私の心を金にした 傷つかぬやう傷は早く愎るやうにと) のち…

電信柱の軍歌7※

ドツテテドツテテ、ドツテテド でんしんばしらのぐんたいの その名せかいにとゞろけり。 ※便宜上意図する題を編者が付した。 底本:「宮沢賢治全集8」筑摩書房(昭和61年)

電信柱の軍歌6※

ドツテテドツテテ、ドツテテド、 タールを塗れるなが靴の 歩はばは三百六十尺。

電信柱の軍歌5※

ドツテテドツテテ、ドツテテド、 右とひだりのサアベルは たぐひもあらぬ細身なり。

電信柱の軍歌4※

ドツテテドツテテ、ドツテテド 寒さはだへをつんざくも などて腕木をおろすべき ドツテテドツテテ、ドツテテド 暑さ硫黄(いわう)をとかすとも いかでおとさんエボレツト。

電信柱の軍歌3※

ドツテテドツテテ、ドツテテド やりをかざれるとたん帽 すねははしらのごとくなり。 ドツテテドツテテ、ドツテテド 肩にかけたるエボレツト 重きつとめをしめすなり。

電信柱の軍歌2※

ドツテテドツテテ、ドツテテド 二本うで木の工兵隊 六本うで木の竜騎兵 ドツテテドツテテ、ドツテテド いちれつ一万五千人 はりがねかたくむすびたり

電信柱の軍歌1※

ドツテテドツテテ、ドツテテド、 でんしんばしらのぐんたいは はやさせかいにたぐひなし ドツテテドツテテ、ドツテテド でんしんばしらのぐんたいは きりつせかいにならびなし。

月夜のでんしんばしら(抜粋)

又三郎※

どっどど どどうど どどうど どどう 青いくるみも吹きとばせ すっぱいかりんも吹きとばせ どっどど どどうど どどうど どどう どっどど どどうど どどうど どどう ※便宜上意図する題を編者が付した。 底本:「宮沢賢治全集7」筑摩書房(昭和60年)

風の又三郎(抜粋)

ポラーノの広場のうた(楽譜)

つめくさ灯《ひ》ともす 夜のひろば むかしのラルゴを うたひかはし 雲をもどよもし 夜風にわすれて とりいれまぢかに 年ようれぬ まさしきねがひに いさかふとも 銀河のかなたに ともにわらひ なべてのなやみを たきゞともしつゝ、 はえある世界を ともにつ…

ポラーノの広場のうた(ミーロ)

つめくさの花のしぼむ夜は ポランの広場の秋まつり ポランの広場の 秋のまつり 酒くせの悪い山猫《やまねこ》は 黄いろのシャツで遠くへ遁《に》げて ポランの広場は 朝になる ポランの広場は 夜が明ける。

ポラーノの広場のうた(ファゼーロ)

つめくさのはなの 終る夜は ポランの広場の 秋まつり ポランの広場の 秋のまつり 水をのまずに酒を呑む そんなやつらが威張ってゐると ポランの広場の 夜が明けぬ ポランの広場も 朝にならぬ。

In the good summer time(ファゼーロ)

つめくさの花の かをる夜は ポランの広場の 夏まつり ポランの広場の 夏まつり 酒くせのわるい 山猫が 黄いろのシャツで 出かけてゐると ポランの広場に 雨がふる ポランの広場に 雨がふる

In the good summer time(山猫博士)

つめくさの花の 咲く晩に ポランの広場の 夏まつり ポランの広場の 夏のまつり 酒を呑《の》まずに 水を呑む そんなやつらが でかけて来ると ポランの広場も 朝になる ポランの広場も 白ぱっくれる。

フローゼントリー(ミーロ)

けさの六時ころ ワルトラワーラの 峠をわたしが 越えようとしたら 朝霧がそのときに ちゃうど消えかけて 一本の栗の木は 後光をだしてゐた わたしはいたゞきの 石にこしかけて 朝めし堅ぱんを かじりはじめたら その栗の木がにはかに ゆすれだして 降りて来…

かぶとむし(ミーロ)※

ゐのししむしゃのかぶとむし つきのあかりもつめくさの ともすあかりも眼に入らず めくらめっぽに飛んで来て 山猫《やまねこ》馬丁《ばてい》につきあたり あわててひょろひょろ 落ちるをやっとふみとまり いそいでかぶとをしめなほし 月のあかりもつめくさ…

ポラーノの広場(抜粋)

クラムボン3※

クラムボンは死んだよ。 クラムボンは殺されたよ。 クラムボンは死んでしまつたよ………。 殺されたよ。 それならなぜ殺された。 わからない。 ルビは《》で示した。 ※については、便宜上意図する題を編者が付した。 底本:「宮沢賢治全集8」筑摩書房(昭和6…

クラムボン2※

クラムボンはわらつてゐたよ。 クラムボンはかぷかぷわらつたよ。 それならなぜクラムボンはわらつたの。 知らない。

クラムボン1※

クラムボンはわらつたよ。 クラムボンはかぷかぷわらつたよ。 クラムボンは跳てわらつたよ。 クラムボンはかぷかぷわらつたよ。

やまなし(抜粋)

星めぐりの歌

あかいめだまの さそり ひろげた鷲《わし》の つばさ あをいめだまの 子いぬ、 ひかりのへびの とぐろ。 オリオンは高く うたひ つゆとしもとを おとす、 アンドロメダの くもは さかなのくちの かたち。 大ぐまのあしを きたに 五つのばした ところ。 小熊…

蠍星の歌※

みなみのそらの、赤眼のさそり 毒ある鉤《かぎ》と 大きなはさみを 知らない者は 阿呆鳥《あほうどり》。

大烏星の歌※

あまのがはの にしのきしを、 すこしはなれた そらの井戸。 みずはころゝ、そこもきらら、 まはりをかこむ あをいほし。 夜鷹ふくろふ、ちどり、かけす、 来よとすれども、できもせぬ。