2007-10-28から1日間の記事一覧
ドツテテドツテテ、ドツテテド でんしんばしらのぐんたいの その名せかいにとゞろけり。 ※便宜上意図する題を編者が付した。 底本:「宮沢賢治全集8」筑摩書房(昭和61年)
ドツテテドツテテ、ドツテテド、 タールを塗れるなが靴の 歩はばは三百六十尺。
ドツテテドツテテ、ドツテテド、 右とひだりのサアベルは たぐひもあらぬ細身なり。
ドツテテドツテテ、ドツテテド 寒さはだへをつんざくも などて腕木をおろすべき ドツテテドツテテ、ドツテテド 暑さ硫黄(いわう)をとかすとも いかでおとさんエボレツト。
ドツテテドツテテ、ドツテテド やりをかざれるとたん帽 すねははしらのごとくなり。 ドツテテドツテテ、ドツテテド 肩にかけたるエボレツト 重きつとめをしめすなり。
ドツテテドツテテ、ドツテテド 二本うで木の工兵隊 六本うで木の竜騎兵 ドツテテドツテテ、ドツテテド いちれつ一万五千人 はりがねかたくむすびたり
ドツテテドツテテ、ドツテテド、 でんしんばしらのぐんたいは はやさせかいにたぐひなし ドツテテドツテテ、ドツテテド でんしんばしらのぐんたいは きりつせかいにならびなし。