輝やける手

おくつきの砂より
けちえんの手くびは光る
かがやく白きらうまちずむの屍蝋の手
指くされども
らうらんと光り哀しむ。

ああ故郷にあればいのち青ざめ
手にも秋くさの香華おとろへ
青らみ肢体に蛍を点じ
ひねもす墓石にいたみ感ず。

みよ おくつきに銀のてぶくろ
かがやき指はひらかれ
石英の腐りたる
われが烈しき感傷に
けちえんの、らうまちずむの手は光る。

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