2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

6月の更新

感人の詩を追加 目 風光 地球 とどめるもの 「ふっ」としたこと 森の違い つれづれ BlogPet 宮中雅楽の夕べ ユートピア−友人の日記から いざ 鎌倉へ 田端文士芸術家村 東京での山登りについて 東北と東京の山の違い 山登りについて 八木重吉の詩群を追加 土…

たたみの 部屋は 青く 私を しめらす 長らく 狭い 部屋で 一人 夜 本を 読んだ 風が 止み 音が 一つ 消えた 月の ない 晩だ 一人 夜 本を 読んだ 部屋を 照らす 明かり 裸電球が 赤く 人の 死が 見えた 一人 夜 本を 読んだ 息を 深く 吐くと 紙は 赤く 燃え…

BlogPet

先日からBlogPetを導入したのだが、今の所ありがたみは分からない。 ペットが正面を向いているときにクリックすると画面に近づいてきて、以前に記述した自分の日記の単語を話していくのだが、その単語だけでは自分でクリックする限りあまり面白みは無い。 単…

新宿御苑にて

新宿駅の南口を出ると、携帯電話がないと友人とは落ち合えない程の人の群れが、流体状にアスファルトの地面へと流れていった。正面には車線の多い道路と、高層ビル街が立ち並んでいる。私と友人2人は、この新宿駅から新宿御苑という公園へと向かった。 私は…

風光

心からませる 友までの叫び 白くたたずみし 山上こそ鋭く 震えだす起源よ 鱗雲たなびき この心響かす 悲しみこそ統《す》べよ (2005.5)

宮中雅楽の夕べ

せっかく都会に来たのだから、色々な演奏会などにも顔を出してみようかと、近くの文化施設で行われた「宮中雅楽の夕べ」という演奏会を聞きに行ってきました。なぜこのような事に興味を持ったかと言いますと、そこで使われている楽器の音を聞きたかったから…

ユートピア−友人の日記から

ユートピアとは理想郷の事で、大辞林によると、「理想郷。理想の国。空想上の理想的社会。どこにもない場所の意の造語」とある。旅をしている友人が日記(虚構の塔)で、ユートピアについての記述をしていたので引用する。 ユートピア1 昨今理想の生活に、…

地球

君は病める事が出来ない その足で立って その腰で支えて そして太陽を 手で持っている この地球で夢を見ている だけど僕に 空が見えない ひろがった時が見えない この足で立って この腰で支えて そして太陽を 手で持っている だけど空が見えない 青い空が見…

いざ 鎌倉へ

人間を室内に閉じ込める、仕事を切り裂くように、休日は毎週どこかに出かけることにしている。今週は友人を誘い、鎌倉へと出かけた。 今年のNHKの大河ドラマが「義経」であることから、鎌倉は現在非常ににぎわっている観光スポットである。鎌倉から藤沢へ…

とどめるもの

一人の人間 森の中 片端*1の樹木 街の中 何処に行く 何処に行く 一人の人間 何処に行く 腕を広げて逆らうものなく 枝を広げて逆らうものなく (2005.4-5) 昭和記念公園にて *1:体の一部の機能や形態に欠陥があること(大辞林)

田端文士芸術家村

昨日の夕方をおそった夕方からの激しい雨は今日の快晴をもたらし、ビルの隙間には青空が広がっている。私は二日酔いの残る頭を連れて朝から電車に乗り、山手線の田端駅へと向かった。 私は以前の日記の中で、大宮の盆栽村を紹介したことがある(盆栽村に出か…

「ふっ」としたこと

都会はいつも キリキリしている 僕の前の人はいつもイライラしている 僕の左の上司はいつもガミガミしている 朝 電車のレールは 毎日叫んで 電信柱は やめろよ! と 引っ張り合っている 誰かが 始めたのかな 少し 変えてみないか そうだ! こんなのどうだろ…

森の違い

森の違いを考えてみる。仮に、東北と東京の森の上に雪が降ったとしよう。 この東京の、春から夏、秋へと暖かい日差しを受けている森、人里の近くにあり人に温かみを与えている森。この森に灰色の少し明るい空から雪の粒が舞い降りる。雪は、杉やヒノキの葉の…

東北と東京の山の違い

登ってみての登山体験を話してもいいのだが、関東では人口に比例して登山客も多く、それだけ東京・埼玉近郊の山登りを紹介する日記の類も多い。一方私のページは詩を中心とするページなので、今回は登山概要を割愛して、山を登ってみての東北と東京の違いを…

東京での山登りについて

東京に来てからも山登りを続けている。山登りを始めたのは2年ほど前からで、椎間板ヘルニアで身体を悪くしたため健康を維持するために運動として始めた。その他の理由としては、自分が帰ることの出来る、眠ることの出来る原風景というものを探す目的もあり…

山登りについて

私は2年ほど前に椎間板ヘルニアをわずらい手術をした。それ以来、健康の維持を目的として山登りを始めた。私が山に登ることを選んだ理由は私の人生の残りの目的とも関係している。それは帰る場所を探すという事だ。私は山を登り始める前から山という偉大な…

詩のpickup(好きな詩)

八木重吉さんの詩の中から、好きな詩を10詩選びました。 詩集「秋の瞳」から 壺のような日(壺のような日 こんな日) 詩集「貧しき信徒」から 秋(こころがたかぶつてくる) 雨の日(雨が すきか) 悲しみ(かなしみと わたしと) かなしみ(かなしみを乳…

夏みかんの香おりは たえてひさしい わたしの「幸福」を 甦らせた わたくしは むさぼりかいだ 水色の世界をゆく ゆきくれたわたしのむねが 夏みかんのかおりをうれしむ しずかにうれしむのだ 上に戻る 傍点は太字で示した。 ルビは《》で示した。 底本:「定…

こころが 死のこころをゆくとき 四月のうすら赤い若芽にさえ その若芽のかたちにもゆる 死の満潮をみるとき 私の詩は 私のこころを掴んで 崇厳な飛躍をする 上に戻る

少女には むやみに語るものじゃない 私の言葉だけで 妹の心は見ぬ人をあこがれている 私もうっかり言ったつもりじゃなかったが そんな強い痕を残すとは あらかじめ どうして気付き得たであろう? 何も告げぬのもわるいようだし と 言って 一言でも言った そ…

けらけらとわらう声が あとからついて来る 春が 蛇がするするとゆく日 わたくしがゆくと そのうしろから だれだかしらない けらけらとわらう 上に戻る

もの足らぬ日であるゆえ 庭におりたって 金鎚で土をたたいた それでもまださびしいゆえ 堅い石をたたいてみた するときなくさいにおいが 白白《しらじら》とたちのぼってくる 上に戻る

土をたたく

一九二三年(大正一二年)四月編

おもちゃ

おもちゃよ おもちゃよ たんとあれ 目次に戻る 傍点は太字でしめした。 ルビは《》で示した。 底本:「定本 八木重吉」彌生書房(平成5年)

まり

なにがいいかって やっぱり 鞠はいとのまりがいい おおきくてかるいのがいい ぽこぽこしていて ぶっつからぬさきにはずむようなのがいい 目次に戻る

いいゆうやけだ じいっと みていると かすかに くもはうごいている そらがうごいているようだ 空いちめん うすくれないとみどりだ 目次に戻る

ゆうぐれ まっ青なはらっぱで 狂人《きちがい》がすわりこんで たばこをふかしていた 空気までまっさおなはらっぱだった 目次に戻る

ひるひなか ひろい庭のまんなかに からからになって しかもまるくつるつるした いっぴきの蛙がひっくりかえってた 目次に戻る

たかい たかいところからみていたい おこるどころか じぶんは とろっとろと 熔けてしずかにふるえながら なにもかも美しみたいものだ 目次に戻る

おおきな河のうえを 夜の汽車でとおる むこうのほうにも 橋があるらしく いちれつの灯がかわにうつって ひとつびとつ ながい ながいひかりになっている 目次に戻る