地球

君は病める事が出来ない
その足で立って
その腰で支えて
そして太陽を 手で持っている
この地球で夢を見ている

だけど僕に 空が見えない
ひろがった時が見えない
この足で立って
この腰で支えて
そして太陽を 手で持っている
だけど空が見えない
青い空が見えない

空に しかし
手をおろしてしまったら
僕はビルの歪《ひずみ》で
公園のベンチで
宇宙をネルルすることになる
星に腰を下ろしてしまう
社会に足を投げ出してしまう

齧《かじ》られてもいい 蝕《むしば》ばれてもみよ
腐りつつある身体を
死に固まった足で うらぶれた魂を添えて
僕の地球を
この足で立って
この腰で支えて
そして太陽を 手で持っている
熱い太陽を 手で持っている
ずっと 君は
夢を見続けていくのだから

     (2005.4-5)