2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

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雑記

筆の遅さについて 今月は3回に分けて相田みつをさんについて書きましたが、「書」や「悟り」について長々と書いてしまったため、美術館の中にある個々の作品については書くことが出来ませんでした。 というのも、私は感じたことを文章の形にするのが非常に…

相田みつを美術館に出かけて(3)〜悟りについて〜

<(2)書と向き合ってみるから| 相田さんの信教は いくつかの小分けにされた展示室を過ぎて、相田さん愛用の道具などが展示されている部屋に進むと、相田さんの話を録音したテープが流されている場所があります。そしてその話の中の一つに、悟りをテーマ…

人々

無理に合わせなくともよいのです 地下鉄の通路で みなを通してあげなさい 私はその人々の流れを ゆうゆうと眺めているから 立ち止まって考えればよいのです あの空の下で 人はみな進み行く やがて踏みしめた道を 折り返すときが来るのだから 心とは山河大地 …

おなじく

いいお天気ですなあ とまた しばらくでしたなあ おや、どこだらう たしかにいまのは 【まるめろ】の声だつたが…… 目次に戻る 傍点は太字で示した。 ルビは《》で示した。 旧漢字の一部を新字体になおした。 対応できない字は【】で示した。 ルビは底本のもの…

おなじく

銭で売買されるには あんまりにうつくしすぎる 店のおかみさん こんなまつ赤な林檎だ 見も知らない人なんかに 売つてやりたくなくはありませんか 目次に戻る

店頭にて

おう、おう、おう ならんだ ならんだ 日に焼けた 聖フランシス様のお顔が ずらりとならんだ 綺麗に列んだ 目次に戻る

おなじく

林檎といつしよに ねんねしたからだよ それで わたしの頬つぺも すこし赤くなつたの きつと、そうだよ 目次に戻る

おなじく

さびしい林檎と 遊んでおやり おう、おう、よい子 目次に戻る

おなじく

りんごあげよう 転がせ 子どもよ おまへころころ 林檎もころころ 目次に戻る

おなじく

こどもはいふ 赤い林檎のゆめをみたと いいゆめをみたもんだな ほんとにいい いつまでも わすれないがいいよ 大人《おとな》になつてしまへば もう二どと そんないい夢は見られないんだ 目次に戻る

おなじく

ふみつぶされたら ふみつぶされたところで 光つてゐる林檎さ 目次に戻る

おなじく

林檎はびくともしやしない そのままくさつてしまへばとて 目次に戻る

おなじく

どうしたらこれが憎めるか このまつ赤な林檎が…… 目次に戻る

おなじく

こどもよ こどもよ 赤い林檎をたべたら お美味《いし》かつたと いつてやりな 目次に戻る

おなじく

くちつけ くちつけ 林檎をおそれろ 林檎にほれろ 目次に戻る

おなじく

娘達よ さあ、にらめつこをしてごらん このまつ赤な林檎と 目次に戻る

おなじく

林檎はどこにおかれても うれしさうにまつ赤で ころころと ころがされても 怒りもせず うれしさに いよいよ まつ赤に光りだす それがざびしい 目次に戻る

おなじく

おや、おや ほんとにころげでた 地震だ 地震だ 赤い林檎が逃げだした りんごだつて 地震はきらひなんだよう、きつと 目次に戻る

おなじく

ほら、ころがつた 赤い林檎がころがつた な! 嘘嘘嘘 その嘘がいいぢやないか 目次に戻る

赤い林檎

林檎をしみじみみてゐると だんだん自分も林檎になる 目次に戻る

りんご

両手をどんなに 大きく大きく ひろげても かかへきれないこの気持ち 林檎が一つ 日あたりにころがつてゐる 目次に戻る

ある時

沼の真菰《まこも》の 冬枯れである むぐつちよに ものをたづねよう ほい どこいつたな 目次に戻る

いつとしもなく

いつとしもなく めつきりと うれしいこともなくなり かなしいこともなくなつた それにしても野菊よ 真実に生きようとすることは かうも寂しいものだらう 目次に戻る

ふるさと

淙々《そうそう》として 天《あま》の川がながれてゐる すつかり秋だ とほく とほく 豆粒のやうなふるさとだのう 目次に戻る

ある時

まよなか 尿に立つておもつたこと まあ、いつみても 星の綺麗な 子どもらに 一掴みほしいの 目次に戻る

ある時

その声でしみじみ 螽斯《こほろぎ》、螽斯 わたしは読んでもらひたいんだ おまえ達もねむれないのか わたしは わたしは あの好きな比尼母経《びにもきやう》がよ 目次に戻る

ある時

まづしさを よろこべ よろこべ 冬のひなたの寒菊よ ひとりぼつちの暮鳥よ、蠅《はえ》よ 目次に戻る

ある時

こどもたちを 叱りつけてでもゐるのだらう 竹藪の上が あさつぱらから 明るくなつたり 暗くなつたり ほんとに冬の雀《すずめ》らである 目次に戻る

ある時

うつとりと 野糞をたれながら みるともなしに ながめる青空の深いこと なんにもおもはず 粟畑のおくにしやがんでごらん まつぴるまだが 五日頃の月がでてゐる ぴぴぴ ぴぴ ぴぴぴぴ ぴぴぴぴ どこかに鶉《うずら》がゐるな 目次に戻る