フローゼントリー(ミーロ)

けさの六時ころ    ワルトラワーラの
峠をわたしが     越えようとしたら
朝霧がそのときに   ちゃうど消えかけて
一本の栗の木は    後光をだしてゐた
わたしはいたゞきの  石にこしかけて
朝めし堅ぱんを    かじりはじめたら
その栗の木がにはかに ゆすれだして
降りて来たのは    二疋の電気栗鼠《りす》
わたしは急いで……