2005-03-29 旅立ち 詩 感人 一人置かれた山の道 夕日に浮かぶ父の顔 落葉の海を辿《たど》りゆき 遠くの町を望みゆく まつぼっくりを拾いゆき 右手で握り空に投《な》ぐ ちぢんだこの実忘れない 夕暮れ雲に父の腕 枯葉を覆《おお》うホオの葉は 子供を隠す森の顔 遠い異国の人達に 踏まれて割れた父の指 揺れて揺られて日は沈み 空に旅立つ夜半《よわ》の月 いずれ迎えに来るはずと そり立つ直木《すぎ》は父の足 (2004.12.12) 歌にあわせて詩を作ろうと、夕焼け小焼けのリズムで詠う。花巻の鉛温泉に入った後に考えてみた。