世界の黎明をみる者におくる詩

鶏の声にめざめた君達だ
からすや雀より早くおきいで
そして畑へ飛びだした君達だ
朝露にびつしよりとぬれた君達だ
まだ太陽も上らないのに
君達の額ははやくも汗ばんだ
君達はひろびろとした畑の上で
世界の黎明《よあけ》をみた
それをみるのは君達ばかりだ
此の世のはてからのぼつてくるその太陽を
どんなに君達はおどろかしたことか
君達はしるまい
君達はしるまい
此の若き農夫を思へ!

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