2006-01-30 雪の詩 詩 山村暮鳥 ちらちらと落ちてきた 雪の群集 どんよりとした空の彼方から これが冬の飾りであるのか 此の世界への贈り物であるのか 純銀の街と村村と 此の凍えてゐる人人の上にふるか 雪は人間を意志的にする 雪は力を堆積する そして人間を神様と一しよにする 祝福せよ 子ども等はうれしさに獅子のやうだ ちらちらと落ちてくる雪 雪の残忍な霊魂《たましひ》 このうつくしさを頬張り貪り くるへ 雪もおどれ 雪のやうな子ども等 目次に戻る