2006-07-01 孤独 詩 萩原朔太郎 田舎の白つぽい道ばたで、 つかれた馬のこころが、 ひからびた日向の草をみつめてゐる、 ななめに、しのしのとほそくもえる、 ふるへるさびしい草をみつめる。 田舎のさびしい日向に立つて、 おまへはなにを視てゐるのか、 ふるへる、わたしの孤独のたましひよ。 このほこりつぽい風景の顔に、 うすく涙がながれてゐる。 目次に戻る