2006-12-01 悲しい月夜 詩 萩原朔太郎 ぬすつと犬めが くさつた波止場の月に吠えてゐる たましひが耳をすますと 陰気くさい声をして 黄色い娘たちが合唱してゐる 合唱してゐる 波止場のくらい石垣で。 いつも なぜおれはこれなんだ 犬よ 青白いふしあはせの犬よ。 目次に戻る