さびしきみち

かぎりなきさびしけれども
われは
すぎこしみちをすてて
まことにこよなきちからのみちをすてて
いまだしらざるつちをふみ
かなしくもすすむなり

――そはわがこころのおきてにして
またわがこころのよろこびのいづみなれば

わがめにみゆるものみなくしくして
わがてにふるるものみなたへがたくいたし
されどきのふはあぢきなくもすがたをかくし
かつてありしわれはいつしかにきえさりたり
くしくしてあやしけれど
またいたくしてなやましけれども
わがこころにうつるもの
いまはこのほかになければ
これこそはわがあたらしきちからならめ
かぎりになくさびしけれども
われはただひたすらにこれをおもふ

――そはわがこころのさけびにして
またわがこころのなぐさめのいづみなれば
みしらぬわれのかなしく
あたらしきみちはしろみわたれり
さびしきはひとのよのことにして
かなしきはたましひのふるさと
こころよわがこころよ
ものおぢするわがこころよ
おのれのすがたこそずゐいちなれ
さびしさにわうごんのひびきをきき
かなしさにあまきもつやくのにほいをあぢはへかし

――そはわがこころのちちははにして
またわがこころのちからのいづみなれば