秋田県の親子丼

秋田県に出張に出かけていた。
台風16号の真っ盛りであり、差した折り畳み傘は、急に横から吹いた風により骨が逆に曲がり、使えなくなってしまった。朝から濡れ鼠である。
能代市で食事を取った時の話。親子丼を注文し食べると、なぜか具にタケノコとシイタケが入っている。まあ、入っているからといって肉がなかったりするわけではなく、又特別不思議な味になるわけではなくおいしくいただいた。ただし、彩を添えるための三つ葉は無かった。このお店のメイン料理は寿司らしく、まあそんなこともあるだろうと考えていた。
能代駅に着くと、五能線が台風で運休になっており代行バスも無い。それでも会議は通常通り行うということなので、タクシーで八森町に向かう。八森町はハタハタで有名であり、ハタハタ館でぜひ定食でも食べてみようかと最初は考えていたのだが、見る見るうちにメーターは回りお財布の危険領域に入ってきた。どうしようもないので、八森駅前でおろしてもらいハタハタ館はあきらめる。ハタハタ館はさらに2駅先になる。ちなみに秋田音頭でも歌われています。「秋田名物 八森ハタハタ 男鹿で男鹿ブリコ 能代春慶 檜山納豆 大館曲げわっぱ
幸い雨は降っていないので、食事の出来るところを探して一時間ほど散歩をした。荒れる日本海は絵になる。テトラポットに打ちつける波波。打ちつける波しぶきで、小さな神社が、厳粛に引き立つ。20分ほどそのように眺めていたのだが、波しぶきに当たっていなくても、海からの風により腕が塩辛くなっていることに気付く。巡回のパトカーにもなにか不振な目で見られているようなので(2度きた)、再び歩き始める。少し高台の方へも行ってみたがやはりお店が見つからない。商店でカップラーメンを購入し、お湯をもらい食事とした。町の人に聞いたが、歩ける範囲に食事どころは無いらしい。
会議が終わって、町の人に親子丼の話をした所「え、入ってますよね」と言われた。もちろん何が入っているかというと、タケノコとシイタケである。私、宮城の人間と、もう一人の東京の人間が「いや普通は入ってないと思いますよ」と言うと、頭をかしげていたが、「秋田は変わってますからね」と言っていた。どうもこれは秋田県の常識なようである。秋田というと、きりたんぽ*1が有名であるが、まだまだ不思議は多そうだ。名物でなくても、色々食べ歩いてみようと思う。

*1:炊きたての新米を半づきにし、秋田杉の串に巻きつけ、きつね色にこんがりと焼いたもの。季節の野菜や比内地鶏といっしょに煮こんだものがきりたんぽ鍋