2004-09-07 琥珀の思いに 感人 眠れぬ夜の月の下 夜露《よつゆ》が香る草の上 琥珀《こはく》の中のかけた心が 誰にも触れず歩き出す 私の放したいたずらは 君の心を惑わせて 木の葉を揺らすため息に 手元の草を絡ませる 私はそっと手を添えて 幼さ残る瞳から すべてをとかす微笑を 琥珀の中に閉じ込めた 祖国の森へと過ぎ去った 移ろう季節の冬化粧《ふゆげしょう》 山の麓《ふもと》の春告草《はるつげぐさ》に 君の名を寄せ花とした この空の向こうに 君もいるのだろう 星を見つめているのだろう かけた心を取り戻すまで (2004.9)