岩手山の伝説:岩手県

gravity22004-09-10


台風18号が東北地方を過ぎ去り、晴れ渡った木曜日、岩手県岩手町への出張のため「はやて」に乗り込んだ。古川が近づくにつれて田園地帯が広がり、黄金(こがね)色のじゅうたんが風の通り道を示す。週末が刈り入れ時だというたわわに実った稲は、朝食を食べていない私のお腹をぐるぐる回しはじめた。岩手町へはいわて沼宮内駅まで新幹線に乗ればいいのだが、あえて盛岡駅で降りて、まだ見たことの無い景色をもとめてIGRいわて銀河鉄道には乗車した。ちなみに、第三セクターの鉄道であるIGRは料金が高いため、新幹線で直接行くのとあまり料金は変わらない。
北の富士と呼ばれる岩手山を左手に眺めながら列車はのどかに進む。盛岡に行くまでは左側の裾野の方が長く、形がいびつである岩手山も、玉山村の当りに差し掛かかってくると左右が対象となり、堂々たる威厳を示し始める。そのころになると、右手の方に姫神山も見え始める。こちらは先のとがったスマート山だ。岩手山姫神山、遠野の早地峰山の三山には伝説がある。

姫神を妻にめとった岩手山は、美しい早池峰の女神に心を奪われるようになりました。そこで岩手山岩手山姫神の間にいる送仙(おくりせん)に「姫神をどこか見えないところへ連れて行け」と言い付けました。岩手山といえば動物も草木も川も山も、その命令にそむくことができないほどえらい山。送仙は悲しむ姫神をしぶしぶ東へと連れて行ったのですが、どうしても姫神の足は進みません。翌朝、岩手山は目の前にまだ姫神がそびえるのを見て怒り狂い、真っ赤な火を噴いた上に、言い付けに背いた送仙の首をはねました
そういうわけで、送仙山の頂上は平らなままですが、後に穏やかさを取り戻した岩手山は送仙山の首を自分の肩に置き、これが岩手山の肩のコブとなりました。また、姫神岩手山のそばを去る途中で「せめてものかたみ」と蒔いた巻き子(糸を玉のように巻いたもの)は五百森(いおもり)という森になりました。
いまでも岩手山姫神山、早池峰山の三山が同時に姿を現すことはめったにありません。岩手山が現れると姫神山は雲の中に姿を隠し、姫神山がくっきり見える日は早池峰山が見えない、というように……。
岩手山@地球より引用
http://www.highway.pref.iwate.jp/mount/bungaku/sinkou/page04.html

というものだ。かってに山の形から考えてみと、どっしりした岩手山は、背が低くてスマートな姫神山より、背が高くて(岩手山よりは低いが)ポッチャリした早池峰山の方が好みだったということだろうか。岩手山とは好みが合いそうである、ただし私は痩せ型だ。まあ、勝手にこういうことを書いていると友人に怒られるので付け足すと、人間と同じで中身が重要であり、山に秘められた伝説をきっちり探らなくてはいけないところだろう。とりあえず、まだ3山とも登ったことが無いので、予算と相談しながら来年当たりには登りたいものである。