デクノボー

もとは詩としてつくったものでが、詩を読んでも、その舞台となる風景を見たことが無い人には、想像しにくいことから、見たことが無い人にも、その風景のよさを感じてもらえたらいいと思い、小分けで絵が入るように考えてみました。そのうち機会があれば絵を書いてくれる人を探して絵本にしてみたいです。

情景としては、稲が刈られた後の田んぼで、藁を干している風景を見ての発想です。干す方法としていくつかあるのですが、今回は、人型に干してある藁が主人公になっています。「稲小積み」という名前で呼ばれているところもあるそうです。
ブロックの部分が詩、その他は情景の解説。あくまで創作段階での情景の解説なので、絵にする際には自由に作ってもらって結構です。

タイトル:デクノボー

詩の元のタイトルは、「ハゲ田」なのですが、絵を添えるならと上のタイトルを考えました。「雨にもまけず」の詩の中の「ミンナニデクノボートヨバレ」から来てます。

私の仕事は終わりました
水は抜かれて
稲は刈られて
いがぐり頭になりました

刈り取られた田んぼで何も無い感じ

夏には青々と草も茂り
蛙や蝶々が飛び回り

夏の田んぼ、蛙や蝶が飛んでる感じ

蝉の鳴き声なんかも 染み付き
風が吹く度に 歌い返したものです

田んぼを遠く囲む森で蝉がうるさく鳴き、風が田んぼに吹く感じ

とても大きなぐるぐる風や
すずめなんかにもつつかれましたが

穂が稔ってきた田んぼ、ぐるぐる風は台風のこと、目玉の鳥よけ吊り下げられ、すずめにも突かれてる感じ

つい最近までは皆(みんな)が頭をなで
重たくなった頭を褒めてくれました

稲が頭をたれ、お百姓がなでる感じ

こうして終わってみればさびしいものです
私は藁の服と帽子を被り束を背負い

夕日の中で、デクノボーが刈り取られた田んぼの真ん中で、一人立っている感じ

天の下でふられたりほされたりして
会いに来てくれるのはカラスだけになりました

降ぬれたからだを、太陽に乾されたりしながら、カラスだけがやってくる感じ
詩的には、ふられたりほされたりは、振られたり干されたり、という感じも出している

どうしたものかと考えておりましたが
コオロギの愛の音(ね)が聞こえてくるようになると

あぜ道の草からコオロギの音が聞こえてくる感じ

そんなものも増えてきましたので
皆(みんな)で夕焼け空をながめるようにしています

最後、山に沈む夕日に向かって、麓の田んぼ一面にデクノボーがたたづむ感じ


絵本ということから、文を小刻みにしかなり検討したつもりです。どうしても最初だけ4行になってしまうのですが。読む時又は読み聞かせる時の音については、検討途中なのでアドバイス等お願いします。