塔のへつり:会津郡下郷町(1)

塔のへつり


前回は会津紀行は、白虎隊の自刃の地である飯盛山へと出かけた。今回は、会津若松市の南、会津下郷町へと向う。今回は、朝からじっくり一日旅ということで、会津ぐるっとパスを購入して乗り込む。下郷町は、会津若松からお座敷トロッコ列車で有名な、会津鉄道に乗り、一時間ほどである。渓流沿いに線路が走っており、眼下にはエメラルド・ブルーの水面が音を立てて流れ、いやがうえにも期待が高まっていく。
渓流沿いの見事な景色の中で特別に有名なのが「塔のへつり」である。100万年もの歳月をかけて、両岸の凝灰岩が大川によって浸食されて風化し、その繰り返しによって奇岩、怪岩がそそり立つ現在の塔の姿が形成されたと言われている。「へつり」とは、この地方の方言で、危険な崖の意味で、塔の形をした川畔の危険な崖という意味で「塔のへつり」と呼ばれている。
塔のそれぞれには名前がついているようで、大きな岩から象塔岩、尾形塔岩、九輪塔岩など10数個ほどの塔に名前が付いていたが、残念ながら名前の由来等についてはわからなかった。雄大な時の流れが作り出した景観を眺めながら一通り歩いていたが(塔の川側が一部削ってあって歩けるようになっている)、あいにく薄着で出かけてしまったので、そそくさと次なる温泉地へと出かけることにした。