樹木の影に

日々のなかでは
あはれに 目立たなかつた
あの言葉 いま それは
大きくなつた!

おまへの裡【うち】に
僕のなかに 育つたのだ
……外に光が充ち溢れてゐるが
それにもまして かがやいてゐる

いま 僕たちは憩【いこ】ふ
ふたりして持つ この深い耳に
意味ふかく 風はささやいて過ぎる

泉の上に ちひさい波らは
ふるへてやまない……僕たちの
手にとらへられた 光のために

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