2005-02-24 また昼に 詩 立原道造 僕はもう はるかな青空やながれさる浮雲のことを うたはないだらう…… 昼の 白い光のなかで おまへは 僕のかたはらに立つてゐる 花でなく 小鳥でなく かぎりない おまへの愛を 信じたなら それでよい 僕は おまへを 見つめるばかりだ いつまでも さうして ほほゑんでゐるがいい 老いた旅人や 夜 はるかな昔を どうして うたふことがあらう おまへのために さへぎるものもない 光のなかで おまへは 僕は 生きてゐる ここがすべてだ!……僕らのせまい身のまはりに 目次に戻る