2005-03-22 朝鮮女 詩 中原中也 朝鮮女《をんな》の服の紐 秋の風にや縒《よ》れたらん 街道を往くをりをりは 子供の手をば無理に引き 額顰《しか》めし汝《な》が面《おも》ぞ 肌赤銅の乾物《ひもの》にて なにを思へるその顔ぞ ――まことやわれもうらぶれし こころに呆《ほう》け見ゐたりけむ われを打見ていぶかりて 子供うながし去りゆけり…… 軽く立ちたる埃《ほこり》かも 何をかわれに思へとや 軽く立ちたる埃かも 何をかわれに思へとや…… ・・・・・・・・・・・ 目次に戻る