閑寂

なんにも訪《おとな》ふことのない、
私の心は閑寂だ。

    それは日曜日の渡り廊下、
    ――みんなは野原へ行つちやつた。

板は冷たい光沢《つや》をもち、
小鳥は庭に啼《な》いてゐる。

    締めの足りない水道の、
    蛇口の滴《しづく》は、つと光り!

土は薔薇色《ばらいろ》、空には雲雀《ひばり》
空はきれいな四月です。

    なんにも訪《おとな》ふことのない、
    私の心は閑寂だ。

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