編集後記

 この度、仕事の関係により仙台から埼玉へと引っ越すこととなり、東北を離れることとなった。私は主として詩を、地域の風土から得た物により創作しているため、大きく拠点が変わる今回を一つの区切りとすることとした。
 そのなかでもここに掲載の詩は、2004年9月から2005年3月までに創作した詩であり、主として旅先で創作し、旅先での風景と心情を詠んだものである。旅行先はすべて東北地域であり、6県の方々に出かけているのであるが、以前にあまり旅行をしたことのない、北東北における詩が多くなった。
 北東北は南東北と比べて、自然の力が強く感じられ、私の好きな冬の力が強い場所である。自然を歩いてみても、街の近くの森で感じられるような馴染みやすさではなく、高くそびえる山のような峻嶺さと気高さがヒシヒシと押し寄せ、私たち人という物がいかに小さな存在であり、また世界の一部分であることが深く感じられた。
 ここに掲載の詩を詠むことによって、ぜひ東北の自然の力強さを感じてもらいたい。

    (2005.3.31)