白髪

昔の言葉は
ほんとうに 生きてゐた
(俺はかうやつて 老人の顔を見てゐる)

樹の枝に こまかく 白く
雪がふつてゐたやうだ

その人の白髪は
恰度《ちやうど》人生の智慧のやうだ
美しい 光つてゐる

光つてゐる――
その輝きのうせないうちに
読みとつておかう

何を?
それをどうしてきかうとするのだ
つまり
私達を そしてお前達を

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