2005-11-02 知るや君 詩 島崎藤村 こゝろもあらぬ秋鳥《あきどり》の 声にもれくる一ふしを 知るや君 深くも澄《す》める朝潮《あさじほ》の 底にかくるゝ真珠《しらたま》を 知るや君 あやめもしらぬやみの夜に 静《しづか》にうごく星くづを 知るや君 まだ弾《ひ》きも見ぬをとめごの 胸にひそめる琴の音《ね》を 知るや君 目次に戻る