鞴祭の詩

自分の意志はあかあかと
みよ、うつくしくやけただれてゐる
鉄砧《かなしき》の上なる意志を
鋼鉄《はがね》のやうな此の意志を
打て!
鉄槌《てつつい》をふりかざせ
とびちるものは火花の吐息だ
とびちるものは自分の吐息だ
くるしい
くるしいから美しいのだ
生きのくるしみ
それが人間にこもつて力となるのか
世界の黎明《よあけ》よ
研ぎすました此の冴え
ふれれば切れるやうな空気
鋼鉄のやうな自分の此の意志
それを鍛へる自分の力
くるしめ
くるしめ
鉄砧の上できたへろ
とんかんと
此のいい音響《おと》で冬めを祭れ

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