2006-01-30 妹におくる 詩 山村暮鳥 枯葉の下からぞつくりと青い芽をだしてゐるみづくさ すんなりとのびてゐる木木 ひらひらしてゐるのはその木木の若葉だ あたりにさへづる鶸《ひわ》やのじこ 落窪《おちくぼ》からちろちろと雪解の水がながれでゐる その水のきよらかさ その水のきよらかさは いもうとよ それはそなたの愛のやうだ ひとにかくしたくちつけにとけてながれるそなたの愛だ 目次に戻る