2006-01-30 山 詩 山村暮鳥 と或るカフヱに飛びこんで 何はさて熱い珈琲を 一ぱい大急ぎ 女が銀のフォークをならべてゐる間も待ちかねて 餓ゑてゐた私は 指尖をソースに浸し 彼奴の肌のやうな寒水石の食卓に 雪のふる山を描いた その山がわすれられない 目次に戻る