病める者へ贈物としての詩

林檎より美しいもの
かすてらより柔いもの
此の愛をそなたにおくるのだ
此の愛を
雪のやうな此の愛
落葉《おちば》のやうにはらはらと
そなたの上に翻へる
そなたはそれをどうみるか
風の中なる私の愛を……
何といふ冷い手だ
何といふさみしい目だ
おお病める者
そなたのためには純白な雪
そして火のやうな私だ
この愛の中で穀物の種子《たね》のやうな強き生《いのち》をとりかへせ
光りを感じ
しづかに生き

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