上野散歩〜旧東京音楽学校奏楽堂〜(4)

日曜日の上野公園


(3)から

楽器について

しかし考えてみると、楽器というのは実に不思議な物です。もちろんその時々かも知れませんが、音楽は、空気や水のように自然に体の中に入ってきて、そのリズムが人の心を軽やかな気持ちに変えてくれます。
もちろん私は詩を詠みますから、幾つもの詩が私の人生に大きな影響を及ぼしていることは間違いないのですが、今回の様に感情が著しく狂わされてしまっている時には、文字に向き合うというのはなかなか出来ないものです。
もし私が何か楽器を弾くとしたら、どういった楽器がいいでしょうか。そういった事をふと考えていました。楽器と言うと思い出すのは中学の時のリコーダーですが、その時のリコーダーは楽譜の通りに音を出し、周りの人に合わせて吹くことが求められていました。あまり良い印象がないためからかもしれませんが、再挑戦する気はありません。
もし私が今から楽器をとるとすらば、それはその楽器が奏でる音がそのまま私の心に優しさを与えてくれるような楽器だと思います。楽器というのは身近にあるものなので、何かの機会に始めたいと思ったりするのですが、色々な楽器を見たりしても、今のところ人生を共にする楽器に出会っていない状況です。
またその楽器の音が優しいことと、自分が弾いていて癒されるかという乖離もあります。私は、大変不器用な人間ですから、あまり多くのことも出来ませんし、私の性質にあった優しい楽器、一つ一つの弦を弾くことがそのまま私を癒すことになる、そういった楽器が何か見つかると良いと思っているのですが・・・

コンサートの紹介

今回は偶然だったのですが、良い場所を見つけることができました。仙台にいる時もそうでしたが、おそらくこういった所はちょっとした奥の方にあって、なかなか見つけられないのです。しかし、一度その場所を知ることが出来ると、隠れ家の様に大切な場所になるのかも知れません。
このコンサートは、木曜と日曜に行われていて、日曜日は、第1と第3がチェンバロ、第2と第4がパイプオルガンのコンサートとなっています。今度は舞台の後ろで学芸会の舞台装置の様に見えたパイプオルガンが、室内に響き渡るのを聞きに行こうと思います。もし上野を訪れることがありましたら、食後に少し足を伸ばしてはいかがでしょうか。すてきな時間を持つことが出来るかもしれません。
HP:旧東京音楽学校奏楽堂 入館料:300円(木・日のコンサートは入館料だけで入れます)


(2006.3.5)上野にて 、(-3.21)まで執筆