2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ねがい

できるだけ ものを持たないで こだわりなく 心をはたらかせたい 目次に戻る

陽二よ

なんという いたずらっ児だ 陽二 おまえは 豚のようなやつだ ときどき うっちゃりたくなる でも陽二よ お父さんはおまえのためにいつでも命をなげだすよ 目次に戻る

桃子よ

もも子よ おまえがぐずってしかたないとき わたしはおまえに げんこつをくれる だが 桃子 お父さんの命が要るときがあったら いつでもおまえにあげる 目次に戻る

妻に与う

妻よ わたしの命がいるなら わたしのいのちのためにのみおまえが生くるときがあったら 妻よわたしはだまって命をすてる 目次に戻る

初秋

うっすらと秋に酔うたここち やがて 秋はふかみ わたしは酔いしれるだろう ぐったりするくらい秋にからだをまかせよう 目次に戻る

ねがい

どこを 断ち切っても うつくしくあればいいなあ 目次に戻る

信仰

人が何と言ってもかまわぬ どの本に何と書いてあってもかまわぬ 聖書にどう書いてあってさえもかまわぬ 自分はもっと上をつかもう 信仰以外から信仰を解くまい 目次に戻る

断章

もえなければ かがやかない かがやかなければ あたりはうつくしくはない わたしが死ななければ せかいはうつくしくはない 目次に戻る

竹のはやし

竹のはやしに ふるいたけもあり しなしなと あたらしいたけのこののびたのもあり つまらない日でも この たけばやしはいい 目次に戻る

雨は 雨のみずたまりに輪をつくっている ひとつの輪は ほかの輪にふざけて消える こうしてみているとほんにたのしい 目次に戻る

寂しい庭

矢釜しくないところへ来たらば もっとひどく耐まらなくなった 目次に戻る

わたしは キリストをしんずる しかしながら わたし自らが 乞食のようになって それでうれしい日がくるまでは たからかにさけべない 目次に戻る

不死鳥

死ぬることをおもえば 死ぬことはひかってみえる かるげである ひかりのなかに命あるものがちさくうごくようにおもわれる 目次に戻る

ひとり静かにものをおもいたい 秋になると心は感傷にほだされて 単純に 幼く やわらぐ おこるときははっきりと怒ってしまいたい こえをだすときは あかるくころがってゆけとおもう 目次に戻る

栗をたべたい 生《なま》のもたべたいし 焼いてふうふう言ってもたべたい 目次に戻る

赤とんぼ

赤とんぼが うかんでる ため息のように ながれてる 目次に戻る

あさ つゆをみると むねがふるえる 目次に戻る

ことば

一九二五年(大正一四年)六月七日編 目次 ○ 赤とんぼ 栗 秋 不死鳥 ○ 寂しい庭 雨 竹のはやし 断章 信仰 ねがい 初秋 妻に与う 桃子よ 陽二よ 信仰 ねがい 秋 子供の眼 マグダラのマリア 梅 金魚 断章 ○ ○ 原っぱ ○ 暗い心 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

母の顔

落葉

炭火

落日

明日

私の詩

〔私の詩をよんでくださる方へささぐ〕

野茨の実