僕が消えてなくなると言うこと 死に近い桜が、悲しい花びらを託す ただよってもみよ うらぶれてもみよと 華々しく散るなど、人には嘘だ 心の端、枝の切れ端より 地上へと帰り ヒラビラと揺らめき 一つの花を、焼けこげた色へと帰す 消えると言うこと、帰ると…
小さきモノの震え 霜の檻をつくる さめた冬空に 一つの窓 ある者は足が動かず ある者は目が見えない 霧の先では浮かぶ 常世の鱗雲 目の見えぬ農夫 霜枯れた畑 はかなきブドウの種を いま一つ蒔く その上を…… 声の出せぬスズメ 種を拾った 固まる土へ 口を入…
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