問題

 私は生活していく上で、恵まれていたと思う。
金銭的には社会の下層を歩いていたとしても、肉体的に劣っている私は、何らかの形で 周りの人間に助けられ生活をしてくることが出来た。
今もまた、周りの人間と集団として生きることによって、かろうじて仕事をなしているところである。
 一方で、生きていくうえでは、周りの人間に必ずしも恵まれてきたとはいえない。
精神的な私の問題に対しては、親は私に対して無理解を示し拒絶をしめした。
私にとって家族とは、現在の養育と将来の保障の間での生存契約を交わした関係であった。
 また、社会と異なる者として、社会と世界・一族と世界と言う広域と世界の分離ではなく、己と世界という孤独の分離を作り出した。
生活をより良き物へと導く師は何人も表れたような気がして、それなりに要領を得た気がするが、私にとっては暫定的な生き方に過ぎずどうでも良いことに思われた。
生存への意欲は、書物の中の哲学者との対話にのみ、かろうじて生じる。
 人は孤独である。自らの道を進む力を求む。

    (2004/01/28 (Wed))