ETUDE

秋が来たら、ああ、それは小さな街《まち》の何処《どこ》にも木洩《こもれ》れ日《び》の美しい、蜂蜜《はちみつ》の潤沢《じゅんたく》な……。
この約束を私は疑わない。また去年《こぞ》の旅を続けよう、去年《こぞ》の日の私の思念《パンセ》のなかでは、ほんとに小さかつたあなたと。

そして、旅に出たら、ああ、この不可思議な星のもとで生れあつた私達は、落葉を見る。
並べあつた肩の上を軽く敲《たたく》く落葉を見るだらう。