車内にて:秋田市(1)

赤れんが郷土館


電車にて横手から秋田へと向かう。秋田の二つ前の駅、出発しようと笛が鳴るが、一両目の一番前の扉が雪のため閉まらない。運転手がブザーをならすと、駅員さんか車掌さんかが駆けつけて来て、下敷きのような薄いプレートで、ドアと車体の間の隙間の雪をガサガサと削り取ってゆく。頻繁にあるのだろうか、とても手馴れている。私にとっては初めてのことでした。
秋田に入ると浜風であろうか、大曲での雪のあたたかさとは対照的に、ひんやりとした冷気の寂寥が感じられる。ここでは、久保田城跡の千秋公園に向かう。県立美術館へとゴロゴロキャリアケースを転がしていくと、どうやら展示入れ替えのため入れないようである、またか。そこで、同じ建物の中にある財団法人 平野政吉美術館へと入る。