2005-02-24 序の歌 詩 立原道造 しづかな歌よ ゆるやかに おまへは どこから 来て どこへ 私を過ぎて 消えて 行く? 夕映【ゆふばえ】が一日を終らせよう と するときに―― 星が 力なく 空にみち かすかに囁きはじめるときに そして 高まつて むせび泣く 絃【いと】のやうに おまへ 優しい歌よ 私のうちの どこに 住む? それをどうして おまへのうちに 私は かへさう 夜ふかく 明るい闇の みちるときに? 目次に戻る