帰ります

明け方目を覚ますと、蝉が鳴いています。
ツクツクボウシの様な声がするのです。
アブラゼミが羽を震わせて、これから一日鳴き続けるために
ツクツクボウシの様な運動をするのです。
彼らを探してみても
なかなか見つかりません。
ケヤキは手を上に伸ばしますから
背の低い私には見つからないのです。
桜の木の下でなどでしょうか
一匹、二匹と寄り添って
アブラゼミを見かけます。
昼休み
ベンチで寝てしまい、遅くなってしまいました。
私は墓参りに出かけます。
私の故郷は盆地ですから、蝉の声は空に帰るしかないのです。
裏の雑木林などでヒグラシが鳴き始めると
私は蚊取り線香を用意するでしょう。