野辺の道

ひとつ この手の平にひとつ
花を拾おう
朽ちて枯れる葉は 桜の花の香り

ひらり ひらりひとつ落ちる
この一葉の葉のために
雲は 空をただよい
ただよってはひとつ 葉を揺らして
唯空の中にあって
空の行方の事は 知らなかった

星は 一人思う
この中にひとつ
永遠が輝いていると
野のコスモスの花が
またひとつ 花びらをひろげた
私は 一人たたずんでいる

続く 紅い道
この野辺で一人
桜の花びらを拾おう
紅く 紅く染まる 桜の花びらを

 (2005.10.7-14)
 王子飛鳥山公園にて、桜の枯れた葉の道を歩く