相田みつを美術館に出かけて(1)〜相田みつをの言葉に出会ったのは〜

相田みつを美術館

有楽町の駅の方から東京国際フォーラムに入り、長いエレベーターを降りて東京駅側に進みます。この地下一階の突き当たりに、「にんげんだもの」で有名な相田みつをさんの美術館があります。(公式HP:相田みつを美術館

始めて出会ったのは

私が相田さんの作品を最初に見たのは、5年前の年末にカレンダーを手に取った時だと思います。その言葉を見た時、こういっては怒る人もいると思いますが、この小学生が書いたような文字は何だろうと思いました。それというのも私が、「書」というものに馴染みが無かったからであり、文字というものを言葉を作る記号としかとらえていなかったからでした。
しかしそれでも、その時に見た言葉の幾らか頭に残っていたからでしょうか、あるいはその当時、相田さんの言葉があちこちで見られたからでしょうか、そのうちに相田さんの詩集を手にとって開き、一連の言葉を読むようになりました。

魅力は何処に

そうしてじっくり向き合ってみると、相田さんの作品というのは、その一つ一つの言葉と言うよりも、その一連のあり方に魅力があるものです。こういっては何ですが、相田さんの言葉の多くは過去の詩人達によって既に表現されているものであり、書という上での新しさこそあれ言葉の新鮮さはありません。
しかしながらその言葉の集成は、相田さんが生きていく中で感じた嬉しいことや悲しいこと、そしてそれらと向き合うことで生じる自分の弱さというものを素直に書き連ねていったものです。私も詩を書いているのですが、詩というものは結局のところ、そういった一連の積み重ねだと思います。

日々出会える形

相田さんが自身を正直に表した言葉には、つまずいた時や困り果てたときに共感できる人間の弱さの言葉があり、また嬉しいときや楽しいときにもその多くの作品の中にぴたりと当てはまる言葉があるものです。
その言葉を集めた人生が、例えば家のトイレや柱などにかけられて、日常生活の中で日々めくられているということは、相田さんという人生が日々人々によって読まれ、相田さんとの出逢いが人々に感動を与えているということです。
ここ最近は相田さんの言葉とは疎遠だったのですが、会社から歩いていけることろに美術館があることを知り、その「書」の原本を初めて訪れてみることにしました。

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書籍紹介

2つほど文庫版を紹介。
日めくり文庫 にんげんだもの (角川文庫)
日めくり文庫 ひとりしずか (角川文庫)
残念ながら私に家の柱に掛けてある、トイレの日めくりは売り切れているようです。
ひとりしずか (こころの暦)
おかげさんベスト・セレクション日めくり 相田みつを作品集 ([カレンダー])