2006-10-08 月と鐘 詩 石川啄木 (とある風琴の曲に合はせむとて友のために作れる 小歌) あまぢはるかに故里の 楽《がく》の名残をつぐるとて、 さくらの苑におぼろなる 夢の色ひく月の影。 花は眠れど、人の子の 夢なりがたき旅ごころ、 とはの眠りに入れよとて 月に泣くらむ夜半の鐘。 目次に戻る