東京生活の終わりに(1)

シャガ:日比谷公園

東京生活の終わりに

私は今ではもう、東京での2年契約の仕事を終えて、東北に戻ってきています。あちらでは勤めが忙しかったこともあり、次第に詩に触れる機会、特にまだ出会った事の無い詩に触れることは無くなっていました。

そしてそれと共に、私には自分自身の詩の言葉も感じられなくなり、時折ただ夢のように、記憶の中に残っている詩の欠片を口にするだけの人になりました。私は過去に自分について色々と書きましたが、やはりあなたは詩を詠む人では無かったと言われれば、そうなのかもしれません。

ここに記述する事は、私の東京生活最後での事です。私が働いていた東京の職場では、部署を去る最後の日に、それぞれ数分の持ち時間を与えられて皆の前で挨拶をすることになっていました。

私はそこで何を話すべきかを、少し前の時期から考えていたのですが、私はそこで自分の望みについて、そこにいる多数の人に分かっていただけなかった、私の望むあり方について話そうと思いました。

ここから以下の文章は、その挨拶の際に話そうと思ったことを、当時の私のノートから書き起こしたものです。残念ながらそれらは結果として話せませんでしたが、その時の私の世界の捉え方を自分が後から理解できる形として残しておくことにしました。(私のノートの文章は、その時分でしか分からない言葉なので。)

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