2004-07-01 都にのぼりて 詩 室生犀星 わが手にしたたるものは孤独なり 身をみやこの熱闘のなかに置けども 深深として夜《よ》はむせべるごとし したたるものは孤独なり 窓を閉《とざ》して なにものをか見出さんとするごとく 眼《まなこ》のみいや冴えかへる