日だるみの中

今日も今日とて溶けてゆく
日だるみの中 目をもたげる
刺し込むのは 週末のくびき
私は何を仰ぐのだろうか
舞い散る砂の粒、けだし 波に降りてゆく
地表は溶け合い、沼を汚す

動かねばならぬ腕の先
この手はよりよく重力をとらえる
人の子が進むにつれて負わされた運命(さだめ)
だそがれ時に 永遠を持たれる
永遠はすべてを溶かし無に返す
高らかに歌い上げ、微笑する
虚無は沸き上がる、腐りかけた肉の様に
始めは羽から、最後は耳さえも
永遠に至る事は、すべてを奪うことだ

非存在に対しての嘆きは、存在すらをも憎む
ふるえろ朝の光に、おびえろ凍る泉よ
内面性の内にこそ存在が発現する
この重力を、泥濘の怠惰を、私の髪の毛を投げ上げろ
ちぢみ上がり動き出す朝の光、今日も溶けゆく

   (2003.4)