貧者の巣

杉の柱が、世間の光をおおう
中学生までもが、我らを貧と見なす

近づく虫を、ことごとく手のひらでつぶした
彼らの仲間になるつもりはなかった
戸口から窓へ すずしげなる虫を
掴んでは放し リンプンを部屋にばらまいた
そのような異国の感じ方もあるのだよ

壁には、幾時代ものビラが貼られ
カケラのみがくだらぬ理想を語る
争うことをなくさないことが本当の主義かあ
腐ってゆけばいいのに 五月雨の露の中で

   (2004.5)
 雨の日に昔すんでいた寮を見つめた後、そのころから使っているテレビ台(ビンビールの空き箱)を眺めながら