2004-08-28から1日間の記事一覧

河原で汲み上げる物

我、石を拾い集める 時の泉で 我、石を積み重ねる 賽の河原で 失(う)せた流れに 置き去(ざ)られた思いを 一人たたずむ 先の無い河原で 音も無く崩れる 重ねあげた真理は 繰返された世界の 不条理な礎 生まれた日の喜びは 少年の日に忘れ 少年の日の夢は …

忘れられた道

青ざめた顔面 月の光に映し 瓦礫で踊る 過ぎし日の道標(みちしるべ) 今、歩いてきた路は、闇の中へと過ぎ去り 次のモノノ価値に、過去の路が敷かれる 錆びれた線路に、舌を寄せれば きしんだレールの、幾世もの錆 シャーシャー キシャーキシャー 沈黙の中 …

教室

友はもういない 祭りがひらける 目を取り 首切り 皮をむく 茶碗に土もり 泥の味噌汁を炊く かこめかこめ 机をかこめ 最初にいないのだーれだ 足を取られたのは私 手を切られたのは君 耳を忘れたのはあなた 影となったのは僕 皆の色が混じりだす 酒の水の中で…

歩けることに

青い 青い空の下で あなただけを見つめて 一年が過ぎていった かわらぬ笑顔を見せて 新しく生まれてくるものに 一すじの糸をたらし 天へと引き抜いてゆく春の日は 私にも空を見上げさせた 何も変わらないように地面を見つめ 空から落ちてきた赤や茶色の葉と …

貧者の巣

杉の柱が、世間の光をおおう 中学生までもが、我らを貧と見なす 近づく虫を、ことごとく手のひらでつぶした 彼らの仲間になるつもりはなかった 戸口から窓へ すずしげなる虫を 掴んでは放し リンプンを部屋にばらまいた そのような異国の感じ方もあるのだよ …