2005-02-24 落葉林で 詩 立原道造 あのやうに あの雲が 赤く 光のなかで 死に絶えて行つた 私は 身を凭【もた】せてゐる おまへは だまつて 脊を向けてゐる ごらん かへりおくれた 鳥が一羽 低く飛んでゐる 私らに 一日が はてしなく 長かつたやうに 雲に 鳥に そして あの夕ぐれの花たちに 私らの 短いいのちが どれだけ ねたましく おもへるだらう か 目次に戻る