2006-02-10から1日間の記事一覧

著者として――

こゝにあつめたこれらの詩はすべて人間畜生の自然な赤裸裸なものである。それ以外のなんでもない。これらの詩にいくらかでも価値があるなら、それでよし、また無いとてもそれまでだ。 自分が詩人としての道をたどりはじめたのは、ふりかへつて見るともうずゐ…

荘厳なる苦悩者の頌栄

天日燦として焼くがごとし、いでて働かざる可からず ――ヨシノ・ヨシヤ―― 神様 神様 けふといふけふこそはおもひきつて すつかりぶちまけます どうぞおいやでもありませうが 一通りおきゝください 神様 われわれ人間の前駆として われわれの大遠祖《おおおや…

真実に生きようとするもの

妻よ お前はジァン・フランソワ・ミレーを知つてゐるだらう それを本で読んだことがあつたらう あの画描きのミレーのことだ 自分達はよく彼のことをはなした 彼がいかにまづしくあつたかをはなしあつては胸を一ぱいにし 自分達の境遇をなぐさめ 凡そ地上に芽…

梢の巣にて(2)

目次*1 真実に生きようとするもの 荘厳なる苦悩者の頌栄 著者として―― *1:文字数制限の関係から、(1)と(2)の2部に分けた。