2005-11-02 月光 詩 島崎藤村 しづかにてらせる 月のひかりの などか絶間なく ものおもはする さやけきそのかげ こゑはなくとも みるひとの胸に 忍び入るなり なさけは説《と》くとも なさけをしらぬ うきよのほかにも 朽ちゆくわがみ あかさぬおもひと この月かげと いづれか声なき いづれかなしき 目次に戻る