ナウシカの蟲笛の作り方

出張のため福島県で朝を迎えた金曜日。上司と待ち合わせの時間までテレビを見ていると、デジタル・スタジアム(6月25日)にて蟲笛が話題になっていた。そもそも蟲笛とは、世界各地でバッタなどの虫を追い払ったり、自然に宿る精霊を呼ぶために使われている楽器である。番組では、この音の仕組みを機械的に鳴らそうとして装置を作った嶋田晃士さんの「扇笛機」が登場していた。そして、蟲笛と聞いて心に思い響くのは、風の谷のナウシカの事である。
ナウシカの中で蟲笛は、COMICSワイド判の1巻21−22ページに登場する。ナウシカ腐海の森の中を探検していると、蟲の怒りに満ちた恐ろしい声が聞こえてくる。ナウシカは森の中を走り見晴らしのよい高台に出た。すると、森からは多くの蟲に湧き出し、目を赤くして怒りに震えるオームに追われているユパが見えた。ナウシカメーヴェに乗ってオームの足下に近づき、怒りに我を忘れてるオームの足をストロボ閃光で止める。そして、オームを森へ返すために、蟲笛を風に鳴らして気を静めさせるのである。
さて、番組の話に戻すが、原理的に嶋田さんの「扇笛機」は蟲笛と同じであるので、番組は蟲笛作りから始まった。単に音が鳴る蟲笛を作るのであれば、番組ですべての経過を放送できる程の短時間で完成する。材料も身近にある物で事足りるので、小学生でも手軽に作れる。音のなる原理は、穴の中に外からの空気が入る際に、空気層に渦が出来るためである。
さて、私も出張から帰った土曜日、さっそく蟲笛制作へと取りかかった。ネット上で作り方をいくつか検索し(虫笛ないと引っかからない)、下記のページを参考に制作してみた。神奈川県子ども会連絡協議会隆行のページ
まずは、フィルムケースを用意。とは言ってもデジカメしか持っていないので、意味も無くフィルムごとを100円ショップで購入。しかし、フィルムケース自体は容器の形が合えば良い問題なので、出張の時などにシャンプーを入れる化粧品のプラスチック容器を他に購入。こちらは3個100円。そのほかに、タコ糸、カッター、千枚通し、などを購入した。


それでは製作開始。

  1. まずは容器の蓋に千枚通しで穴を開ける(大きすぎてはいけない)。
  2. 開けた穴にタコ糸を通して結び目を作り抜けないようにする。紐の長さは、自分の腕の半分ぐらいの回転させ安い長さで。紐の手で持つ方に輪を作っておくと回す時に良い。3+容器の中央付近に縦穴を開ける。大きさは5mm×2〜3cmぐらい。穴の大きさによって音の高さが変わってくる。5mmの方は固定。
  3. 穴と直角になるように羽をつける。羽はつけなくてもいいが、付けた方が風の当たる方向が固定されるので音が出やすい。これには手近にあった名刺を切って使った。

これで完成。この作業を3回ほど繰り返して、私は穴の大きさの違う機体を3つ作った。


紐に作った輪っかの部分に指を入れて、回してみる。穴の大きさが大きい機体の方が、高い音が鳴るようであり、そして早く
まわしても音が出る。遅く回すと音の鳴りが悪い。一方穴の小さい機体の方は、低い音が鳴り、回転が速くなると音が鳴らなくなる。
実際の音の特徴についてだが、穴の大きい機体は音が高く、容器がプラスチックであるためかどうかは分からないが、プラスチック製の風呂を掃除している際に鳴る、キュッキュッと言う音に似ている。これは求める方向と違う音である。穴はあまり大きくせず、ゆっくり回転させる事をお勧めする。最後に、音を変えて見る方法としては

  1. 穴の大きさを工夫する
  2. 容器の大きさを変えてみる
  3. プラスチックではなく竹や木で作ってみる

などの方法があります。実際に作ってみても、いや画像だけ見ても分かると思いますが、フィルムケースで作った機体はあまりにもナウシカの世界に程遠い物です。街中の公園に持って行くのさえもはばかられます。出来れば竹や木、角、骨?などを材料としてデザインの問題に取り組んでから、森や山の動物たちに向かい合いたいと思います。東北の山に帰る前に、なんとか作品が出来れば良いのですが。
竹で作って販売している人もいました。こういう人生はすてきですね。→ガイネの音処



テクノラティプロフィール