お日さまのむかえ※

お日さまの、 お通りみちを はき浄《きよ》め、 ひかりをちらせ あまの白雲。 お日さまの、 お通りみちの 石かけを 深くうづめよ、あまの青雲。

双子の星(抜粋)

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このサイトについて 詩人の紹介及び詩の掲載を行っています。 詩人の名前から詩を探す場合は、左<メニュー>「詩の紹介」から、詩のタイトルから探す場合は、その下<日記の検索(一覧)>をご活用下さい。(詳細) リンクはご自由にどうぞ。 最近の更新 東…

鳥の羽のこと

本当はその時の気持ちを、そのまま言葉に出来ればよかったのですが、グループで行動していると、その場で立ち止まったり、歩みを止めてしまったりするのが悪いので、部屋に帰ってから時間をとろうと思っていました。しかし、こういう事というのは、その場で…

詩のpickup(好きな詩)

萩原朔太郎さんの詩の中から、好きな詩を10詩選びました。 詩集「月に吠える」から 掌上の種(われは手のうへに土を盛り、土のうへに種をまく) さびしい人格(さびしい人格が私の友を呼ぶ、わが見知らぬ友よ、早くきたれ) 見しらぬ犬(この見もしらぬ犬…

東京生活の終わりに(6)

<(5)「賢治さんの言葉」から| 少しだけ穏やかなところへ そして私という人間はそういう話を、今の様な大人になってもまだ読んでいたりしますが、私は別にそこからそういうモノ達の世界が何処かにあるのだとか、そういう世界が本来のあるべき世界なのだ…

東京生活の終わりに(5)

<(4)「ヤンソンさんの言葉」から| 賢治さんの言葉 そしてこれと同じ様なことを、宮沢賢治さんもその童話集「注文の多い料理店」で語っています。この童話集には、「どんぐりと山猫」、「注文の多い料理店」、「月夜のでんしんばしら」などの作品が収録…

東京生活の終わりに(4)

<(3)「草木と共に」から| ヤンソンさんの言葉 その言葉とは、童話「ムーミン」の作者である「トーマス・ヤンソン」さんの言葉と、童話「銀河鉄道の夜」の作者である「宮沢賢治」さんの言葉です。ムーミン童話については昔にアニメ化されたこともあり、…

東京生活の終わりに(3)

<(2)「道について」から| 草木と共に 私はここ東京にいる間も、休日を利用しては時々、郊外の野や山に出かけたりしていました。それは畑や田圃が点々とするぐらいの近郊だったり、中央線の先の奥多摩だったり、信州の軽井沢や長野だったり、私のやって…

東京生活の終わりに(2)

<(1)「東京生活の終わりに」から| 道について 私はここにいる間に幾度か、なぜ私が東北に帰りたがるのかを、同じ年代の人だけではなく上の方(かた)からも質問を受けました。「東京にいた方が収入も増えるし、仕事の幅も広がる。君は家族が東北にいる…

東京生活の終わりに(1)

東京生活の終わりに 私は今ではもう、東京での2年契約の仕事を終えて、東北に戻ってきています。あちらでは勤めが忙しかったこともあり、次第に詩に触れる機会、特にまだ出会った事の無い詩に触れることは無くなっていました。そしてそれと共に、私には自分…

歌のpickup(ふるさとについて)

石川啄木さんは、生活の窮乏からふるさとの渋民村を出て、盛岡、函館、札幌、小樽、釧路、そして東京と、故郷を離れて転々と生活を送りました。石川啄木さんの歌の中から、ふるさとについての歌を数点選びました。 望郷 愛郷 懐郷 思郷 離郷 同郷 望郷 ふる…

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しろばんば(4) 〜しろばんば〜

<しろばんば(3)〜湯道〜から| しろばんば 私は自分の足の深いところつけて歩くうちに、石畳の道が右側に深く折れ曲がる角に差し掛りました。するとそこでは、今まで左手を薄く遮っていた針葉樹の連なりが途切れて視界が放たれ、私の目の先に、薄暗い煙…

しろばんば(3) 〜湯道〜

<しろばんば(2)〜浄連の滝〜から| 湯道 私は熱い湯船で温まった体を拭き、浴場から外に出て、そこから少し先の西平橋まで歩きました。橋の欄干に前腕をつけて橋の下を見下ろすと、流れが押し上げた冷たい空気がヒンヤリと胸の辺りを誘います。大地から…

しろばんば(2) 〜浄連の滝〜

<しろばんば(1)〜湯ヶ島温泉〜から| 浄連の滝 私は今日の昼間、2年振りぐらいに本棚から持ち出した「伊豆の踊子」の文庫本をリュックサックに入れて、浄連の滝から狩野川沿いに、踊子の歩道という車道から少し離れた道を一人で歩きました。そしてその…

しろばんば(1) 〜天城湯ヶ島温泉にて〜

湯ヶ島温泉 東京生活の終わりが近づいてきた私は、こちらにいる間に訪れたい土地として、中伊豆の湯ヶ島温泉を尋ねました。この温泉は、川端康成が「伊豆の踊子 (新潮文庫)」を執筆した際に滞在していたところであり、また、井上靖の小説「しろばんば (新潮…

自由詩のリズムに就て

自由詩のリズム 歴史の近い頃まで、詩に関する一般の観念はかうであつた。「詩とは言葉の拍節正しき調律即ち韻律を踏んだ文章である」と。この観念から文学に於ける二大形式、「韻文」と「散文」とが相対的に考へられて来た。最近文学史上に於ける一つの不思…

附録

軍隊

通行する軍隊の印象 この重量のある機械は 地面をどつしりと圧へつける 地面は強く踏みつけられ 反動し 濛濛とする埃をたてる。 この日中を通つてゐる 巨重の逞ましい機械をみよ 黝鉄の油ぎつた ものすごい頑固な巨体だ 地面をどつしりと圧へつける 巨きな集…

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春宵

嫋《なま》めかしくも媚ある風情を しつとりとした襦袢につつむ くびれたごむの 跳ねかへす若い肉体《からだ》を こんなに近く抱いてるうれしさ あなたの胸は鼓動にたかまり その手足は肌にふれ ほのかにつめたく やさしい感触の匂ひをつたふ。 ああこの溶け…

あかるい屏風のかげにすわつて あなたのしづかな寝息をきく。 香炉のかなしいけむりのやうに そこはかとたちまよふ 女性のやさしい匂ひをかんずる。 かみの毛ながきあなたのそばに 睡魔のしぜんな言葉をきく あなたはふかい眠りにおち わたしはあなたの夢を…

片恋

市街を遠くはなれて行つて 僕等は山頂の草に坐つた 空に風景はふきながされ ぎぼし ゆきしだ わらびの類 ほそくさよさよと草地に生えてる。 君よ弁当をひらき はやくその卵を割つてください。 私の食慾は光にかつゑ あなたの白い指にまつはる 果物の皮の甘味…

花やかなる情緒

深夜のしづかな野道のほとりで さびしい電燈が光つてゐる さびしい風が吹きながれる このあたりの山には樹木が多く 楢《なら》、檜《ひのき》、山毛欅《ぶな》、樫《かし》、欅《けやき》の類 枝葉もしげく鬱蒼とこもつてゐる。 そこやかしこの暗い森から ま…

艶めける霊魂

そよげる やはらかい草の影から 花やかに いきいきと目をさましてくる情慾 燃えあがるやうに たのしく うれしく こころ春めく春の感情。 つかれた生涯《らいふ》のあぢない昼にも 孤独の暗い部屋の中にも しぜんとやはらかく そよげる窓の光はきたる いきほ…

艶めける霊魂

自然の背後に隠れて居る

僕等が藪のかげを通つたとき まつくらの地面におよいでゐる およおよとする象像《かたち》をみた 僕等は月の影をみたのだ。 僕等が草叢をすぎたとき さびしい葉ずれの隙間から鳴る そわそわといふ小笛をきいた。 僕等は風の声をみたのだ。 僕等はたよりない…

白い牡鶏

わたしは田舎の鶏《にはとり》です まづしい農家の庭に羽ばたきし 垣根をこえて わたしは乾《ひ》からびた小虫をついばむ。 ああ この冬の日の陽ざしのかげに さびしく乾地の草をついばむ わたしは白つぽい病気の牡鶏《をんどり》 あはれな かなしい 羽ばた…

ねぼけた桜の咲くころ 白いぼんやりした顔がうかんで 窓で見てゐる。 ふるいふるい記憶のかげで どこかの波止場で逢つたやうだが 菫の病鬱の匂ひがする 外光のきらきらする硝子窓から ああ遠く消えてしまつた 虹のやうに。 私はひとつの憂ひを知る 生涯《ら…